Caroさんの思い出。

Pokemon Advent Calendar 2023 1枠目。12月16日担当のびぃとさんです。当初はポケマス模型部として作品を載せるつもりでしたが、間に合いませんでした。これは出来上がったら何らかの形で発表させていただきます。

代わりにポケモンGOでお気に入りのポケモンの個体を紹介するか、大昔のポケモンのバッタもんの商品レビューでもしようかと思いましたが、ふと思い立ち、まあまた昔話なんですけど風化して消滅する前に覚えている人間が書き残しておくことも必要だよね、なんて思ったことを書きます。


先月の話。

インターネット黎明期、そしてポケカの最初期に、一緒にポケカを遊ばせてもらったりポケモンキッズ(当時はまだ中身が分からない箱の仕様だった)のトレードをしたりポリゴンショックが席巻した頃にアニポケの将来に一喜一憂していた友人、いや本当は友人というには凄すぎる人なんですけど敢えて友人と呼ばせてもらいます、森山郁(土屋郁)さん、ハンドルネームCaroさんの訃報が、配偶者によるXへの代理投稿で知らされました(本名併記で仕事されていたのでここでも書いておきます)。
ながいこと持病を患っておられたのは知っていましたが、亡くなる4日前のXではポケモンスリープのフレンド募集投稿をしていたり、そのちょっと前には素敵な編み物の投稿もあったりで、まさかそんな急展開があろうとは。

覚悟していたのかしら、PCのパスワードを解除してあったそうで、なのですぐ配偶者さんが各種SNSほかのアカウントを掌握して引き継ぎ出来たそうです。
そういうのが無かったら、何もわからないままフェードアウトでしたよ、知る由も無いですもんね。


告別式無し、近親者で火葬のみというところだったのですが、呼んでいただき最後のお別れをさせてもらいました。ネットで知り合った人と今生のお別れは初めての経験でした。
配偶者さんとは直接会うのは初めてでしたが、四半世紀前のCaroさんの思い出話が出来て嬉しかったです。

ポケモンカード対戦会オフの会場が当時初台にあったMicrosoftのオフィス(当時の彼女の勤め先)

その前の勤め先はスクウェアで、英語版ファイナルファンタジーⅣの翻訳担当、聖剣伝説2の英語版ローカライズのディレクター等歴任

もっと若い頃はススキノで働いていた

TRPGはルーンクエストガチ勢

シルバニアファミリー好き。潰れかけたおもちゃ屋のデッドストックを俺が買い占めて送ったことも

しかしなんといってもCaroさんといえば、「ポケットモンスターカードゲーム」が世に出て日が浅い頃、公式サイトがしょぼくて中身が無いような時代に国内はおろか英語圏の人からも公式サイトだと勘違いされたポケモンカードの個人ホームページを開設していたことがあまりに有名でした。うちのサイトと相互リンクでした

皮肉にも、当時としては他の追従を許さない内容と本職なので英語版サイトも完備していたことから、ポケカ人気が爆発的になって以降どこかでメーリングリストに取り上げられたりして苦情メールや購入申し込み、SPAMなどが鬼のように飛び込んできて奇しくも2000年のポケモンデイ(2/27)にポケモンカードのページは閉鎖となりました

以後もアイコン配布やグッズ交換のお知らせ、関係リンク集の公開、ディズニー好きでもあったので旅行記などのコンテンツは2005年くらいまで続いていました

mixiでマイミクだったのですが俺の家庭の事情でmixiを辞め、長く没交渉だったのがいつしか偶然Twitterで発見。以降時々やり取りする感じ

ポケモンGOは大親友です。消せません


いやそんな話を年の瀬にされてもと思われるでしょうけど、Internet Archiveで当時のサイトをサルベージしましたので、ああ、ポケモンカードにもこんな時代があったんだなぁと感じてもらえたら、と。

★◆● Caro’s Pockemon Card Index ●◆★ ※1999年頃の記録が残っています。

第4弾「ロケット団」が出た頃まではここが最強でした。カードリスト、ルール解説、初心者向けの遊び方、サンプルデッキレシピ、「トレードのてびき」等。

トレード情報に特化した掲示板などは別の方が作っているものがありましたが、Caroさんのサイトは優しかったのです。ポケモンは、初期はコロコロコミックとのメディアミックス展開ででっかくなったコンテンツでもありましたのでインターネット黎明期とはいえ子どものネットブラウズは多かったです。ポケマス民の中には、放送作家の「ひめはじめ」さんが立ち上げて運営していた「ポケモンだいすきクラブ」というウェブサイトを覚えている人は居ないかもしれません。読者投稿型のサイトで、「ポケモンうんちずかん」のイラストコーナーが人気だったりしていました。そんな「ポケモンだいすきクラブ」と「Caro’s Web Home」は、子供でも安心して閲覧出来るポケモンのホームページ、でした。


今月に入ってから、Caroさんの「旦那くん」(と、Caroさんは呼称していました)から手紙が届きました。開封したら、

クリスマスカードと、当時Caroさんが作ったコピー本の「ポケカ読本」でした。遺品整理していて出て来たのだそうです。ステープルも錆びたりしていない美品です。

ページをめくりながら、ちょっと泣きました。
でもこうして思い出の品を譲り受けることが出来たのは嬉しかったです。

自分もエルフやドワーフのようには生き続けられません。いつかはそっちの世界に行くことでしょう。そのときに一体何を遺していけるだろうか、そんなことを思っています。


12月17日担当は、2023年ポケマス最大のネットミーム「インド伝統のクッキー」が生まれたムンバイヌン茶オフの発起人、試される大地に暮らす ついでさんです。お楽しみに!

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びぃとさん https://twitter.com/beatnik_san
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