序章
マストドンポケモンインスタンス「ポケマス」の麒麟児こと、ぬと申します。「第四世代~第七世代の対戦環境について」を発表致します。
私は対戦の経験が豊富なだけで、個人的な思考であり参考文献はありませんので見落としている部分もあるかと思いますが、暖かい目で見守って頂ければ幸いでございます。
尚、基本的にはシングルバトルの環境推移を中心にしております(私自身が第五世代まで全ルール網羅していたがそれ以降はシングル特化のため)。
第四世代の背景
【ダイヤモンド・パール発売】
平成18年9月26日、「ポケットモンスターダイヤモンド・パール」が発売され、第四世代がスタートした。ハードは当時新発売のニンテンドーDS。グラフィックの進化は大きな反響を呼んだ。
【wi-fi通信のスタート】
「ともだちコード」をお互いに登録し、wi-fiを介して通信すれば対戦することが可能となった。これによりインターネット掲示板等で募集し、見知らぬ誰かと対戦することも可能に。また、SNSも流行し始めの頃であり、この頃から対戦オフ等が活発化。
【バトルレボリューション発売】
更に平成18年12月14日、wiiにて「ポケモン・バトルレボリューション」が発売され、wi-fi通信を利用した見知らぬ誰かとの対戦が非常に円滑に出来るようになった。従来の「ポケモンスタジアム」「ポケモンコロシアム」と違いストーリー性を限りなく縮小し、対戦に特化したものとなり、当時流行していた「ニコニコ動画」を中心に対戦の様子を動画化、あるいは生配信をする人もいた。ちなみに私の生配信処女作はこのバトルレボリューションです。
【HGSSの発売】
ポケットモンスター「ハートゴールド・ソウルシルバー」の発売により、新たなタマゴ技、教え技が拡充された。
【乱数調整の出現】
前世代であるエメラルドにおいて乱数が解析され「エメループ」という、乱数調整が確立。これにより自身が欲しい個体値をもったポケモンを厳選することなく短時間で手に入れることが可能となった。
【技の仕様変更】
一部の技の仕様変更はどの世代もあるが、何よりも今までタイプによって物理技、特殊技と分類されていたものが「技毎に物理技、特殊技が設定されるようになった」ことが一番の変更だろう。
【”半減実”の登場】
木の実毎に対応したタイプの技を受けると、受けるダメージを1/2にする木の実が登場(通称”半減実”)しました。これにより戦略の幅が広がった。
【火力のインフレ化】
こだわりハチマキ(メガネ)「最初に出した技しか出せない代わりに攻撃(特攻)が1.5倍になる、いのちのたま「技の威力は1.3倍となるが最大HPの1/10を受ける」といった火力強化の持ち物が登場。「インファイト」「フレアドライブ」等の高火力技も登場。
第四世代の対戦環境
【天候特性の強化】
砂嵐状態ではいわタイプのポケモンは特防が1.5倍となる等、天候特性が強化された。これによりバンギラスは場に出るだけで特防が1.5倍されるため、実質的な種族値はものすごく高くなった。また、ユキノオーの特性「ゆきふらし」により霰状態で体力を回復できる特性「アイスボディ」の持ち主であるトドゼルガと組むという通称「ユキトド」という戦法も爆誕。
【”厨ポケ”呼称の誕生】
高種族値、強いポケモンのことを「厨ポケ」と呼び、これを種族値が低い等の理由であまり使われない「マイナー」ポケモンで打ち倒す動画、生配信が流行。特にバトルレボリューションは所謂”禁止伝説”も制限がなかった為、今以上に流行するきっかけとなった。
【結論パ】
・バンギラス
・ガブリアス
・メタグロス
・スイクン
・サンダー
+ゲンガー、ラティオス、ボーマンダ
という、上記のポケモンで固めてしまえばどのポケモンにも対応できるとされる通称”結論パ”が登場した。
第四世代の総括
現在の環境が出来る礎だったと思います。実はこれといっためちゃくちゃな戦法ではなく、ダメージレースに特化した環境で、いかに積み、いかに高火力で相手を押していくか。ある意味で単純な環境だったが故に、マイナーポケモンによる”厨ポケ狩り”も流行ったのだと思います。一方で、乱数調整やWCSの開幕、wi-fi通信による通信を利用した遊びの拡充等、周辺環境もかなり整備され、新規対戦ユーザーも私を含め、たくさん誕生した時期でもあります。では続いて、第五世代の環境に移って参りましょう。
第五世代の背景
【ブラック・ホワイト発売】
平成22年9月18日、「ポケットモンスターブラック・ホワイト」が発売され、第五世代がスタート。エンディングを迎えるまで、前世代までのポケモンが一切出現せず、新たに156種類ものポケモンが追加された。
【周辺環境の充実】
ポケモングローバルリンク(以下PGL)というHPが立ち上がる。その中でポケモンドリームワールドが誕生。DSのみではなくPCを利用して夢の世界を旅することで、木の実を育成する、新たな隠れ特性を持ったポケモンを捕まえるといった、画期的なシステムが導入された。wi-fi環境においてもランダムバトルが導入され、wi-fi対戦が円滑となった。
【東日本大震災】
平成23年3月11日、首都圏を中心に大規模な震災が発生。未だ完全に復興されておらず、各地に爪痕を残した。震災の影響で、WCSは中止となった。
【トリプルバトル、シューターバトル、ローテーションバトルの登場】
トリプルバトルはその名の通り、同時に3体のポケモンを場に出して対戦するもので、シューターバトルはトリプルバトルのルールに加え、一定ターン経過で決められたアイテムを投与することが可能。ローテーションバトルは、3体を同時に場に出すが、実際に動かせるポケモンは1体のみであり、動かしたポケモン(技を選択したポケモン)は前衛に出て技の効果を受けるのに対し、動かさなかったポケモンは後衛に下がり技による効果を一切受けない。
【対戦における制限時間の設定】
制限時間が設けられたことで、延々と続く冗長な対戦がなくなるかと思いきや、PT構築の段階では能動的ではないとはいえ「TOD(Time Over Death)」という時間切れによる判定勝ちを狙う手法が登場した。
【★☆★☆レーティングバトルの登場☆★☆★】
wi-fi通信対戦では、ランダムマッチにおいて二つの種類のバトルがあり、前者は「勝てばレートが上がり、負ければ下がる。相手のレートに応じて上下の幅が決まる」もの。このレートはユーザーの強さの指標として、画期的なものであった。現在でこそ、自分と同程度のレートのユーザーとしかマッチングしないようになっているが、当時はそういった制限はなく、「自身はレート1800なのに相手はレート1300。勝ってもレートは1か2しか上がらない」なんてことはザラにあった。そして、負けると大量のレートを吸い取られることになり、その下がったレートを取り戻すために何戦も費やすことから、後述するレーティングバトルでの切断が社会問題となった(当社比)。
【技マシン非消費化】
技マシンが何度も使えるようになった。これにより、周回に「技マシン回収」がなくなり、ストレス要因の一部が排除。
【”夢特性”の出現】
PGLでは「ゆめしま」という場所を冒険し、捕まえたポケモンは「ゆめしま」で入手したポケモンしか所持していない隠れ特性となっている。これをゆめしまとかけて、「夢特性」と呼ばれるようになった。特性はメスからしか遺伝しないため、メスの夢特性ポケモンはかなり重宝された。この夢特性は従来のポケモンの強さを180度変えるような強力なものも搭載された(キュウコン「ひでり」、ニョロトノ「あめふらし」等)。
【ジュエルの登場】
「〇〇(タイプ名が入る)ジュエル」という、持たせると1回だけ該当タイプと同タイプの攻撃技を放つ時に技の威力が1.5倍となる持ち物。単純に火力を上昇するのみではなく、持ち物を手放すと効果を発動する特性「かるわざ」や、持ち物がない状態だと威力が倍増する技「アクロバット」と相性が良いということもあり様々な戦略を呼んだ。
【強力積み技の登場】
「からをやぶる」「ちょうのまい」等の強力な積み技が登場。一度積んだら対策なしでは止まらないこともままあり、積み構築と呼ばれる「場を整えて、積み技で強化し、残りのポケモンをなぎ倒す」という主旨のPTが台頭した。
【技の仕様変更】
代表的な変更点は以下の通り。
「つららばり、タネマシンガン」…威力が10→25へ。
「じばく、だいばくはつ」…相手の防御を1/2せずダメージ計算されるようになった。
「しんそく」…優先度+1→+2へ。
それ以外にも細かな変更がたくさんあった。
【催眠弱体化と、新たな仕様判明】
「さいみんじゅつ」の命中が60に低下し「ねむり」のターンも1~3ターンと減少。 これにより催眠を搭載した耐久の脆いアタッカー(ゲンガー、メガヤンマ等)が衰退した。しかし、「ねむり状態で交代するとねむりのターンカウントがリセットされる」という仕様が判明し、「催眠+強制交代技」で延々と眠らせては「ステルスロック」等のでダメージを積み上げる(昆布戦法)害悪戦法が確立した。
【一連の改造騒動】
ニョロトノ、キュウコンの夢特性がそれぞれ天候を変化させるもので、しかも「特性により変化された天候は永続する」という仕様だったことからかなり重宝された。wi-fi対戦でも出没するようになったが、PGLにメスの個体がそれぞれ確認されていないことから、出現する、しないの論争が繰り広げられた(「出現しないよ」「低確率だけど出現するよ」派の対決)。結局、後々のPGLアップデートでメスの個体が確認されたことから収束したが、結局この論争の真相は謎のままで、改造か否かは永遠に闇の中。
当時は「ニコニコ生放送」を始めとして「Ustream」「Justin」等の生配信が流行。私も後ろ2つのサイトで配信経験あり。しかし、生配信中に配信者自身が改造ポケモンを使っており、発覚して炎上…なんてことがあった。「竜の舞ガブリアス」「ニックネーム”しょうちゅう”ドリュウズ(皮肉にも第六世代以降ならば実現可能)」が最たる例。
【かそく「アチャモ」騒動】
メディアファクトリー発売の攻略本「ポケットモンスターブラック・ホワイト公式完全ぼうけんクリアガイド」(790円)には、初版特典として夢特性の「キモリ(かるわざ」「アチャモ(かそく)」「ミズゴロウ(しめりけ)」の3匹のうちどれか1匹がランダム貰えるシリアルナンバー付きであった。しかし貰えるポケモンのラインナップを見れば”当たり外れ”は一目瞭然で、かそくアチャモを手に入れるためにこの780円の攻略本を”大人買い”するユーザーが現れた。「攻略本開封配信」と銘打って生配信を盛り上げる要素にもなった。ミズゴロウはあからさまな”ハズレ”であり、「しめったあああああ」「お前の攻略本ふやけてる」「じめ…じめ…」等の煽りコメントも散見。ちなみに私もこの配信をしましたが、案の定湿りました。
第五世代の対戦環境
【レーティングバトルにおける切断の横行】
第五世代を語る上でこの問題は外せない。切断そのものは第四世代から存在したが、対戦途中に切断されても何のデメリットもないことからそれほど問題にされてはいなかった。しかしレーティングが絡むとなると話は別。切断をすると当該バトルは「なかったこと」になり、「レートは変動しない」「対戦した時間が無駄」等切断された側に一方的なデメリットがある内容。あまりにも切断が横行するため、運営は切断率が高いユーザーをランキングから除外する措置を取ったところ、いわゆる対戦オフで有名な強者や世界ランカーが除外され、悲惨な環境が目に見える形で明らかとなった。この”切断率が高い”もミソとなり、対戦回数をたくさんこなしてしまえば、除外を免れるということも判明。例えばシングルバトルのランキング上位を狙うならば、切断してレートを上げて、他のルールで初手降参して対戦回数を増やすことで切断率減少しランキング入り…ということも可能であった。ちなみに私は当時総合ルール勢(全てのルールの合計でレートを競うこと)でした。
【新ポケモン参戦】
ヒヒダルマ(攻撃140)、オノノクス(攻撃147)、シャンデラ(特攻145)といった超火力、種族値が極端なポケモン、また「いたずらごころ」「のろわれボディ」等の強力な特性を持つ等、新ポケモンは大いに流行。また高スペックかつ「いたずらごころ」により先制で電磁波が打てるボルトロスは大変な脅威となった。
【仕様変更による地位向上】
「つららばり」の威力が上がり、「からをやぶる」「スキルリンク」という強力な特性を手にしたパルシェンは一気に出世。この他特性「がんじょう」がきあいのタスキの効果と同様にHP満タンの状態で攻撃を受けた場合必ずHPが1残るようになり、レベル1のココドラにきのみジュースを持たせ、攻撃を受けてもまた「がんじょう」が復活する(その間にステルスロックを撒いたり「がむしゃら」でHPを削る)という戦法も登場。ロトムもタイプ変更を伴うフォルムチェンジが出来るようになり、中でも電気技と相性の良い水技をタイプ一致で打つことが可能である「ウォッシュロトム」が大流行した。
【天候環境】
永続天候を利用した「天候パ」が台頭。当初はバンギラス「すなおこし」で砂嵐状態にし、ドリュウズの「すなかき(砂嵐状態だと素早さが2倍になる)」で先制していく「砂パ」が流行したが、夢特性が解禁されるとニョロトノ+キングドラの「すいすい(雨状態だと素早さが2倍になる)」を活用する「雨パ」が大流行。その後、キュウコン始動の「晴れパ」はクレセリアとの相性も良く、第四世代でも出没していた”ユキトド”も少数派ながら存在し、第五世代は終始、天候によって環境を支配された。
【対天候】
新アイテム「しんかのきせき」は進化前ポケモンの防御、特防を1.5倍にするというもので、これをラッキーに所持させることで要塞と化す。このラッキーを中心に様々なポケモンでひたすら攻撃を受けまわす「受けループ」というPTが登場。攻撃を受けている間に、天候やステルスロックなどのスリップダメージを稼ぐ。もちろん、TODも狙う。また、天候始動ポケモンの最大の弱点は”単体では強くない”ことで、「目の前の敵を倒すこと」に特化したポケモンで組まれた(対面性能)対面構築なるものも登場した。
【砂パの変遷】
当初、バンギラス+ドリュウズを中心とした「バンドリュ」が流行したが、砂嵐状態に出来るポケモンはバンギラスの他にカバルドンもいる。カバルドンも搦め手が使え、耐久も優秀なポケモンでありカバルドン+ドリュウズ、通称「カバドリュ」も流行。また、ガブリアスも特性「すながくれ」を利用し、持ち物「ひかりのこな(相手の技の命中率を0.9倍にする)」を持たせることで回避率をアップ。「みがわり」と「つるぎのまい」を駆使して持ち前のスペックで圧倒するHPも登場(相手を2回攻撃できるドラゴンタイプの技「ダブルチョップ」も存在も大きい)。また、グライオンの特性「ポイズンヒール(毒状態で体力の1/8を回復)」と組み合わせ、ひたすら「まもる」「みがわり」をすることで体力を回復し続け、砂嵐のスリップダメージを稼ぐ戦法も編み出された(いわゆる無限グライオン)。これらの戦法は相手のほうが素早さが高いと失敗に終わりやすいことから「でんじは」を搦める「電磁砂」と呼ばれるものもあった。
【雨パの変遷】
対面構築の登場で、ニョロトノの性能の低さが問題となったが、一定の耐久はあるため「だっしゅつボタン(相手の攻撃を受けたら自分が強制交代する)」を持たせ、キングドラを無償降臨する「脱出雨」というPTが登場。キングドラの制圧力が増し、バンドリュ、カバドリュは衰退していった。
【★☆★☆BW2の発売☆★☆★】
平成24年6月23日、「ポケットモンスターブラック2・ホワイト2」が発売。これにより新たな夢特性ポケモン、教え技が解禁。また、ボルトロス、トルネロス、ランドロスに霊獣フォルムが解禁され、環境に変化をもたらした。
【新戦法の登場】
・レパルダスの「いたずらごころ」を利用し「ねこのて(後続ポケモンの補助技を優先度+1で出す)」で後続のキノガッサの「キノコのほうし」を先制で出して眠らせ、ハメていく。
・メタモンの特性「かわりもの(場に出ると、相手のポケモンの”能力変化も含め”コピーする)」を利用し、あらかじめ他のポケモンで「いばる(相手を混乱させ、攻撃を2段階上昇させる)」で強化させておいたポケモンをそのままコピーして後続含めて突破する。
【積みサイクルの登場】
代表例はパルシェン+ウルガモス。パルシェンに強いポケモンはウルガモス「ちょうのまい」を積むことができ、その逆でウルガモスに強いポケモンはパルシェン「からをやぶる」を積むことで、後続を打ち倒していく。それぞれ起点に出来るポケモンがはっきりしており、これにソーナンスを絡めるものも少数派だが存在した。
【未解禁の夢特性ポケモン】
実はシャンデラの当時の夢特性は「かげふみ」。これはついに解禁されることなく、第六世代では「すりぬけ」に書き換えられてしまった。
【結論パなど無い】
この世代はトップメタをメタられそれがトップメタとなり、またそれがメタられ…というのが続いた。次々に面白い戦法が編み出され続けてきた。wi-fi流行で、ガチ勢が増えたからだろう。”群雄割拠”と呼ぶに相応しく、結論パは存在しない。
第五世代の総括
乱数調整によって理想個体が簡単に手に入るようになり、ガチ勢による考察が増加…それに伴って群雄割拠の環境であったといえるでしょう。戦法も様々なものが編み出され、いわゆる”組み合わせ”(ブルンゲル+ナットレイから始まった)から始まり、現在の「ムラっけ」も真っ青な害悪戦法が複数流行など、第四世代同様に現在の礎となった世代でもあります。第五世代は個人的に思い出のある世代です。最もレーティングバトルをプレイし、最も深く考察した世代です。たくさんの大会に出たし、たくさん対戦した。何よりまだ当時私は学生だったので、時間がありました。この世代を通じて、たくさんの仲間ができ、今でも交流が続いている友達もおります。もう一度この環境を返してほしい、切に願うばかりです。次は第六世代。第五世代での害悪戦法対策、切断対策がどう変遷するのか。メガシンカ等が登場しますが、環境はどうなったのか。では第六世代、どうぞ。
第六世代の背景
【X・Y発売】
平成25年9月18日、「ポケットモンスターX・Y」が発売され、第六世代がスタート。新たに追加されたポケモンこそ幻含めて72種類と少ないものの、後述の「メガシンカ」の影響も大きい。
【メガシンカの登場】
特定のポケモンに「メガストーン」を持たせることで、「メガシンカ」が可能となった。一時的に合計種族値100アップさせ、特性やタイプも変化し全く別のポケモンに(特性、タイプが変わらないメガシンカポケモンもいる)。当初は28種類のポケモンがメガシンカ対象だったが、時代とともに次々と新しいポケモンがメガシンカするようになった。
【フェアリータイプの登場】
ついに14年ぶりに新タイプ「フェアリータイプ」が登場。第五世代において歯止めが掛からなかったドラゴンタイプや格闘タイプに強く、既存の特定のポケモンにもフェアリータイプが追加されるものも。
【既存ポケモンの種族値修正】
明らかに環境についていけないポケモンについては種族値が上方修正されたが、大した影響はなかった。
【シューターバトルの廃止】
トリプルバトルと被ること、戦闘中の道具使用が難しすぎたのかわからないが、廃止された。
【新しい道具の登場】
「じゃくてんほけん(弱点の技を受けると攻撃と特攻が2段階上昇)」「とつげきチョッキ(攻撃技しか打てないが、特防が1.5倍)」しかし、「ジュエル」は「ノーマルジュエル」を除きすべて廃止となった(倍率も1.5倍→1.3倍へ下方修正)。
【厳選環境の簡易化】
「あかいいと」「かわらずのいし」の仕様変更により、厳選環境が大幅に改善され、新規参入が容易となった。
【特性の変化】
特性によって発動した「天候」は無限であったが、5ターンへと変化した。「しめったいわ」等の天候ターンを8ターンへ増加させるアイテムの使用者がようやく出てきた。
【技の変化】
特殊技の威力が全体的に下降。特殊アタッカーには向かい風となった。「おにび」の命中率アップも含め、物理技で押していくポケモンとのバランスがとられる形となった。また、「めざめるパワー」は威力60で固定となり、タイプが個体値に依存するのみとなった。
【急所の仕様変更】
急所ダメージが2倍から1.5倍となった。
【はがねタイプ弱体化】
ゴーストタイプ、あくタイプからの技が等倍となった。
【切断対策】
切断対策の明確化が最大の焦点となっていたが、今作以降、故意によるものでなくとも(判別方法がないが)切断した場合、回線が切れた側の負けとなり、レート及び勝敗数もそれに伴って記録される。一定数切断すると、ランキングから除外されるシステムも継続。また、ランキングから除外されたユーザーだけが隔離される「切断サーバー」なるものも登場したとされ、そのサーバーに飛ばされると同じユーザーとしか当たらない、マッチング時間が極端に長い(いずれもそのサーバーにユーザーが少ないので当たり前)等の特徴があった。しばらく対戦を繰り返せば戻ることは可能。これは切断したのみではなく、切断された方も何も悪くないのに切断サーバーへ飛ばされるらしく、切断、被切断に関わらず「切断カウント」なるものがあるといわれている。尚、公式発表は一切ないため自己責任で。
【レートの仕様変更】
簡単に言うと同レートに人としか当たらなくなり、最高レートがインフレ化。第五世代の頃はレート1800いったら超人の域だったのに(私の最高レートは1836です!!!)レート2000は当たり前。
第六世代の対戦環境
【★☆★☆ガルーラモンスター☆★☆★】
ガルーラがメガシンカすると特性が「おやこあい(出した技の攻撃が2度当たる、2度目の攻撃は威力が1/2となる)」となり、ガルーラ自身が多種多様な技を会得することから凶悪的な性能を発揮。メガシンカ後の種族値ももちろん、技の追加効果についても1度目、2度目双方で判定があることから第六世代ではメガガルーラによって終始環境を支配された。「グロウパンチ」を覚えることから殴りながら攻撃を上昇させる鬼畜戦法も取ることが可能で、物理耐久に自信のあるポケモンも強引に突破可能。素早さ種族値も100と遅い部類ではないため、鈍足ポケモンを岩雪崩で怯ませる、特殊型にして受けに来たガルーラ特化の物理ポケモンを突破する、「ちきゅうなげ」を覚えるため定数ダメで攻める…挙げればキリがない。
【ファイアロー】
特性「はやてのつばさ(飛行タイプの技は優先度+1で出せる)」が凶悪的で、これにより虫、格闘ポケモンがガクッと減った。自身は「おにび」「はねやすめ」「つるぎのまい」等の搦め手も得意であり、メガガルーラと並び「特性ゲー」化が進むこととなった。
【ポケムーバー解禁前】
ポケムーバーというDLCで第五世代以前からのポケモンを連れてくることができ、レーティングバトルに参加させることが出来る予定であった。しかしポケムーバーは「X・Y」発売から約2か月半後。その間は純粋に第六世代で厳選、育成したポケモンでバトルしていた。
【メガガルーラ・ファイアロー・ガブリアスだらけ】
上記3体のポケモンばかり。そこに特性「いたずらごころ」をもち、耐性も優秀な「クレッフィ」を絡めた構築や、「ちきゅうなげ」が遺伝技となった「ラッキー」から始まる受けループが対抗馬。「さめはだ」ガブリアスに「ゴツゴツメット」を持たせ、メガガルーラの攻撃を受けて削るという戦法もあった。
【ポケムーバー解禁後】
ついにたくさんのポケモンが環境へ侵入。教え技持ちのポケモンも介入し環境に変化をもたらした。これによりメガゲンガーは「ほろびのうた」を搭載可能となり特性「かげふみ」との相性は抜群であり、同じ特性のソーナンスとのコンビが有名となった。しかし、メガガルーラは相変わらず強かった。
【ORAS発売、互換切り】
平成26年11月21日、「ポケットモンスターオメガルビー・アルファサファイア」が発売。レーティングバトルにおいて「マーク」がついていない(第五世代出身のポケモンは皆マークなし)ポケモンが使えなくなり、「零度スイクン」等が姿を消す。また、メガシンカポケモンが増加。特に「メガボーマンダ」は特性「スカイスキン(ノーマル技が飛行タイプとなり、威力が1.3倍となる)」を備え、ただでさえ高い種族値が更に増加した。しかし相変わらずメガガルーラが強すぎた。
【害悪構築】
「オニゴーリ」が登場したのもこの時期。クレッフィで「でんじは」により麻痺を撒き、オニゴーリで起点にして無双する…が主な例。第五世代の「電磁波砂」に近い。
【結論パもどき】
・メガガルーラ
・ガブリアス
・ボルトロス
・スイクン
・ゲンガー
・バシャーモ
こうなった理由はゲンガーに「さいみんじゅつ」を仕込むユーザーが増加し、受けループすら強引に突破。多種多様なPTに対抗可能で、とある対戦オフでは上記6体で固められたPTばかりであることが判明した。
第六世代の総括
3DSで発売され、グラフィックを始めとした精度が向上しましたが、対戦環境は終始メガガルーラに占領される形となりました。「バトルスイッチ」等の面白い特性も登場、メガシンカの登場によりリザードンやフシギバナ、クチートといった第五世代では窓際族であったポケモンも脚光を浴びるようになりました。ガルーラもそうですね。第五世代が群雄割拠に対し、こちらは完全にメガガルーラ。様々な相性の良いポケモンの組み合わせが登場しても必ず入るのがメガガルーラ。結局メガガルーラでした。ありがとう。その後、このメガガル環境はどうなったのか。第七世代へいってみましょう。
第七世代の背景
【サンムーン発売】
平成28年11月18日、「ポケットモンスターサン・ムーン」発売。ここに第七世代がスタート。SMの略称がちょっと怪しいところもあるが、自然と受け入れられた。
【アローラのすがた】
いわゆる「リージョンフォーム」の登場。新ポケモンの追加も飽和状態気味であったが、既存のポケモンのスタイルを変化させることでマンネリを解消。
【Zワザ】
「Zクリスタル」を持たせることで、1試合に1回だけ超火力の技を打つことが出来る。第五世代の「ジュエル」に近いが、補助技でもZワザを打つことが出来る。その場合は、自身の能力変化が主となる。相手にダメージを与えるだけがZワザではない。
【すごいとっくん】
レベル100のポケモンに「きん(ぎん)のおうかん」を使うことで、個体値を最大値まで上昇させることが可能となった。しかも「めざめるパワー」のタイプは元の個体値に依存するため、適当な個体値でタイプのみ厳選し、レベル100まで上げてすごいとっくんをすることで、厳選が更に容易となった。
【第六世代からの微調整】
・メガガルーラ特性「おやこあい」の弱体化(2発目が1/2→1/4)。これによりガルーラ1強ではなくなった。
・スキン系特性の弱体化(1.3倍→1.2倍)。
・「はやてのつばさ」の弱体化(永続→体力がMAXの時のみ発動)。ファイアローは姿を消した。
・「いたずらごころ」の弱体化(悪タイプに対して無効)。後述のでんじは弱体化含め、クレッフィや化身ボルトロスが姿を消した。
・「ぜったいれいど」の弱体化(タイプ不一致の命中率が2割に)。
・「でんじは」の命中率が100→90。それに伴い、まひ状態の弱体化(素早さ補正が1/4→1/2)。
・やけど状態のスリップダメージが1/8→1/16。
・トリプルバトル、ローテーションバトルの廃止。
【”混乱実”の登場】
HPが1/4の状態で、1/2も回復する木の実が登場…というか強化。「フィラのみ」等、性格によっては混乱してしまう木の実がこれにあたり、「混乱実」と呼ばれるようになった。「オボンのみ」と違って、複数のポケモンにそれぞれ持たせることが出来るなど、有用性が高い。
第七世代の対戦環境
【カプ・〇〇〇、ミミッキュら強力フェアリータイプが中心】
「カプ」と名前が付く守り神ポケモンは全員がフェアリータイプであり、「ばけのかわ」という一度だけ攻撃をノーダメージで受けられる特性を持つミミッキュもフェアリータイプ。これらの登場により、ガブリアスは主人公の座から脱落。また、「カプ」系は特性がそれぞれ「エレキメイカー」「ミストメイカー」等、自身に有利なフィールド(エレキフィールド等)を創造できるものとなっており、種族値以上に相対的に火力が高くなったり、耐久性が上がるといった強力なポケモンである。「ミミッキュ」も「ばけのかわ」が強力すぎて、自身も「おにび」「のろい」「いたみわけ」「トリックルーム」等の搦め手を使える上に、ゴーストタイプでもあることから耐性もある。
【シーズン2よりポケモンバンク解禁】
シーズン2より第6世代からのポケモンが参戦し、教え技解禁となる。ここで増えたのが、「れいとうパンチ」「かみなりパンチ」を搭載した鋼タイプのメガメタグロス。フェアリータイプを止める対抗馬となった。
【ファイアロー不在、環境の変化】
ファイアローが「はやてのつばさ」の弱体化により姿を消し、「ギルガルド」に打点のある「メガミミロップ」が台頭。相変わらず「ランドロス」も汎用性と優秀な特性「いかく」を活かして活躍しており、環境は目まぐるしく変わっていく。「ドヒドイデ」も優秀なタイプから受けループに招かれた。
【★☆★☆USMの発売☆★☆★】
平成29年11月24日、ポケットモンスター「ウルトラサン・ウルトラムーン」が発売。第七世代でも教え技を習得することができるようになり、また「マンタインサーフ」によりBPをお手軽に稼ぐことが出来るようになった。新ポケモンも「ツンデツンデ」「ズガドーン」「アーゴヨン」が追加され、特にアーゴヨンはタイプ及び種族値が優秀であることから環境に変化をもたらした。
第七世代の総括
なんといっても、Zワザの予測がつきにくすぎて、不慮の事故が多発するようになったと思います。逆に考えると、同レート帯としか当たらないので対戦回数を稼ぎ、安定して貯金を作っていけばレートは上がっていきます。「ある程度負けるのもしょうがない」という長期的な目線で考えなければいけないので、野球のペナントで優勝することを考えるのと近いかもしれない。これは第六世代にも言えますね。第五世代では一度の負けが許されなかった代わりに、構築そのものがしっかりしていれば勝つことが出来た。第八世代はメガシンカ等がどうなったのか。それはキミの目で確かめてくれ!
おわりに
対戦環境の移り変わり、いかがでございましたでしょうか。ポケモンは、対戦コンテンツとしては準備に時間がかかりすぎるため、はっきりいって他のゲームと比較すると欠陥であると言われております。バランスもひどいものです(メガガルーラ無双など)。それでも、ポケモンを愛しているから私は対戦をやめない。戦闘狂であってもポケモンが好きな気持ちは皆様と変わりありません。今後ともよろしくお願いします。ありがとう!!!!ナツキサイコー!!!
コメントを残す